2020年の新型コロナウイルス感染症拡大でテレワークや外出自粛などが増え、ネットスーパーなどの普及と、ネットショッピングの利用が大幅に拡大しました。
その影響からか、どこの運送業者も人手不足が深刻になっています。依頼を受けた配送を回しきれずに、軽貨物のフリーランスや個人事業主のドライバーへの委託も増えています。
荷物の配送をする企業でも、安定した配達を実施するためには、フリーランスや個人事業主などのドライバーとの定期契約が必要な時代になってきました。それでは定期案件とはどのようなものでしょうか?
軽貨物の定期案件のメリット、デメリットを荷主側、ドライバー側の両方の立場からみていきましょう。
荷主側の定期案件のメリット
定期契約とは、決まった曜日や日時に軽貨物の配送業者やドライバーに配送を依頼し、定期的な配送依頼を契約する方法です。ルート配送とも同じような意味で使われます。
荷主が定期案件を依頼すると、次のようなメリットがあります。
メリット1:人件費などの配送コストを削減できる
メリット2:余計な手間と心配がない
メリット3:スケジュール管理がしやすい
メリット4:業者との信頼関係が築ける
それでは一つひとつみていきましょう。
メリット1:人件費などの配送コストを削減
定期的な荷物の配送がある企業の場合、自社で軽貨物ドライバーを雇うとなると、人員の確保と配送車両の用意をしなければいけません。それには大きな手間とコストがかかるため、すでに人員と車両を所有している先への依頼のほうがコストの削減を実現できます。
また、まとめての契約のため、軽貨物の定期便の依頼は、荷物の配送があるたびに都度契約するのと比べて低コストで配送依頼ができます。
メリット2:余計な手間と心配がない
自社で軽貨物ドライバーを雇っている場合、定期的な配送のたびに配送を準備するのは大変な手間になります。定期案件であれば、依頼した日時に配送するように配送業者がすべて請け負ってくれるため、準備も余計な心配も必要ありません。
メリット3:スケジュール管理がしやすい
定期便では、企業の配送に合わせて契約ができます。週〇回、〇時など、企業の都合に合わせられるのが魅力の一つです。自社でドライバーを雇うよりも融通がききやすく、ほかの仕事にも負担にならないので、スケジュール管理が楽になります。
メリット4:業者との信頼関係が築ける
定期契約を結ぶと、長期のお付き合いになりますので、お互いに信頼関係が深まります。
信頼関係が築けると長期契約が続きますし、何より大事な荷物を信頼関係がある業者に配送してもらえるのは安心できますね。それぞれに良いメリットになります。
荷主側の定期案件のデメリット
これまで荷主側の定期案件のメリットを解説しましたが、デメリットももちろんあります。
デメリット1:業者を探すのが大変
デメリット2:信頼できる相手かわからない
詳しくみていきましょう。
デメリット1:業者を探すのが大変
業者を探す方法として、知り合いのツテを頼ったり軽貨物の掲示板などで探すこともできますが、探すにはどうしてもひと手間がかかります。
最近では求人サイトで探すという方法も注目を集めているようです。荷主や運送会社が、フリーランスや個人事業主のドライバーに業務委託を依頼する案件を掲載しています。軽貨物の専門の求人サイトなどもありますので、気になったらそちらに掲載してみるのも良いかもしれません。
デメリット2:信頼できる相手かわからない
知り合いの紹介などの場合は、はじめからある程度信頼できますが、求人サイトや掲示板などで探した相手がどのような業者なのかは、少し不安になる場合もあるでしょう。
たくさんのドライバーを抱える法人ですと少し安心できますが、まずは単発の依頼をしてみて信頼関係ができてから定期契約するのがおすすめです。
軽貨物のドライバー側の定期案件のメリット
次に軽貨物のドライバーからみた定期案件のメリットを3つあげてみました。
メリット1:安定した収益になる
メリット2:スケジュールが組みやすい
メリット3:長期的な関係を築ける
一つひとつみていきます。
メリット1:安定した収益になる
「スポット便」や「チャーター便」などの都度案件は、一回の配送の価格は高く設定されていますが、毎回依頼を受けてからの仕事になるため収入が不安定です。
それに比べて、定期案件は仕事が安定して入ってくるため、安定した収入を得られることが大きなメリットになります。
メリット2:スケジュールが組みやすい
定期的な仕事は、スケジュールやほかの予定の組みやすさにつながります。
軽貨物ドライバーを始めたばかりのころは、少しでも多く仕事の量をこなしたいと思っている方も多いのではないでしょうか。定期案件が何個かあると、その間にスポット便やチャーター便を入れるなど、仕事をこなすためのスケジュールを組みやすくなります。
メリット3:信頼関係を築ける
定期案件では、荷主と長期的な付き合いになります。長期的な付き合いができるとお互いに信頼関係が築けるでしょう。信頼関係ができると、別の案件を依頼されたり、紹介してくれたりもしますので仕事の安定にもつながります。
荷主側のメリットでもある信頼を得られることは、双方にとってメリットが大きいですね。
ドライバー側の定期案件のデメリット
それでは軽貨物のドライバーのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
ドライバー側の定期案件のデメリットは次の2つです。
デメリット1:案件の獲得が難しい
デメリット2:単価が低いことがある
それぞれみていきましょう。
デメリット1:案件の獲得が難しい
荷主のデメリットにもなっていますが、荷主や運送会社からの定期案件は、まだ始めたばかりの個人事業主にはなかなか任せにくい仕事です。信用を高めるためには実績が必要になってきます。
荷主や運送会社からすると、複数のドライバーを抱える法人のほうが安心して契約ができるでしょう。日々の都度案件などを丁寧にこなし、地道に信頼を積み上げていくことが、獲得が難しい定期案件の信用を高める実績となるのではないでしょうか。
デメリット2:単価が低いことがある
定期案件はまとめての契約になりますので、単価はその分安くなります。
しかし、その分安定した収入となるため、定期案件にスポット便やチャーター便などの高額案件を組み合わせることで、効率と収入をあげることが重要です。
まとめ
この記事では、荷主、業者の双方からみた軽貨物の定期案件のメリットとデメリットを解説していきました。
荷主、業者どちらとも、定期契約をしたくても簡単には契約相手がみつからないこともあるでしょう。
軽貨物の定期案件はどちらからみても安心できますし、手間も省けるおすすめの配送契約です。
この記事が、信頼できる相手と定期契約をするための足がかりとなれば幸いです。