「軽貨物ドライバーの労働時間ってどのくらい?」
「2024年問題で軽貨物ドライバーの労働時間はどうなるの?」
軽貨物運送業の仕事を始めるにあたって、基本的な労働時間や物流業界の2024年問題が気になりますよね。
2024年問題とは、2024年4月1日からドライバーの時間外労働時間の上限が年960時間に制限されて発生している問題のことです。
【労働時間上限規制が軽貨物業界にもたらす影響】
①指定日時に荷物が届けられない
②ドライバーの収入減少により人手不足になる
③運送会社の売上・利益が減る
この記事では、軽貨物ドライバーの労働時間と2024年問題がもたらす影響について解説します。
ぜひ、参考にしてみてください。
軽貨物ドライバーの1日の労働時間は?
軽貨物ドライバーの仕事は、荷主である運送会社から委託された荷物を指定日時に荷受人へ届けることです。
運送会社によって違いはありますが、軽貨物ドライバーの基本的な労働時間は8〜21時です。お昼の休憩込みで平均12時間労働になります。
1日に到着する荷物を「午前中」「午後」「夜間」の3つの時間帯に合わせて、車へ積み込み配達をします。
休憩時間は、荷物の物量や時間指定のある荷物の集中具合により、取る時間が左右されることも。
初回に届けられなかった再配達の荷物も含めて、21時ごろまで配達を繰り返します。
軽貨物ドライバーの労働時間が増えるタイミング
軽貨物ドライバーの労働時間が増えるのは、以下のような場合です。
・繁忙期のとき
・再配達が多いとき
それぞれを詳しく説明します。
繁忙期のとき
軽貨物運送業の繁忙期は、7月と12月です。
7月はお中元、12月はお歳暮やクリスマスのシーズン。
この時期は、軽貨物ドライバーは忙しくなりますが「稼ぎ時」でもあります。
また、母の日や父の日、敬老の日などの祝日前後も配達が増えます。
再配達が多いとき
再配達とは、初回に荷受人が不在で届けられなかった荷物を再度配達することです。
軽貨物ドライバーを悩ます問題の1つです。
軽貨物ドライバーの大半は業務委託(個人事業主)で働いており、荷物1個の配達完了で報酬が発生します。
不在配達は配達完了とみなされず、2回配達しても1回分の報酬にしかならないからです。
会社の多い地域は営業日であれば受け取ってくれる可能性が高いので、再配達の心配がほとんどありません。
しかし、住宅街や団地などは日中の不在が多いため、再配達するのが現状です。
軽貨物ドライバーの労働時間は2024年問題でどう変わる?
物流業界を騒がしている「2024年問題」とは、働き方改革関連法により2024年4月1日からトラックドライバーの時間外労働時間の上限を年960時間に制限することにより発生しているさまざまな問題です。
直接雇用されているドライバーは影響を受けますが、軽貨物ドライバーのほとんどは業務委託(個人事業主)になるため、労働時間の制限は受けません。
雇用で働くドライバーの労働時間が規制されて配達できない荷物を、業務委託の軽貨物ドライバーが請け負う可能性が高くなります。
歩合制である業務委託の軽貨物ドライバーは稼げますが、1日で配達できる荷物には限界があるため、過酷な労働時間による疲労や事故の心配が出てきます。
無理のある配送業務を行えば、品質の低下や離職率を高める原因になるので、軽貨物業界全体に大きく関わる問題です。
労働時間上限規制が軽貨物業界にもたらす3つの影響
2024年問題で労働時間上限規制で軽貨物業界にもたらす影響は、主に以下の3つです。
①指定日時に荷物が届けられない
②ドライバーの収入減少により人手不足になる
③運送会社の売上・利益が減る
詳しく見ていきましょう。
①指定日時に荷物が届けられない
トラックドライバーの長時間労働が規制され、長距離で運ぶ荷物に影響がでるため、指定日時に荷物が届けられない可能性が高まります。
1人のドライバーで運べていた荷物を複数のドライバーで運ぶようになり、長距離配送のドライバーが不足して、今までどおりに荷物が運べなくなるからです。
人手不足だと言われている物流業界全体に影響を及ぼし、配送が遅れる事態が発生しやすくなります。
②ドライバーの収入減少により人手不足になる
労働時間の制限は、トラックドライバーの残業代が無くなることで、収入を減らします。
収入の減少はドライバーの離職率を高め、慢性的な人手不足から運べる荷物がさらに減るといった状況を招きます。
③運送会社の売上・利益が減る
労働時間の規制によるドライバー不足により、運送会社は運ぶ荷物量が減るため、売上および利益が減少します。
ドライバー不足は当日集荷や当日出荷を困難にし、倉庫に置く荷物を増やすことになります。
このような状況が続けば、企業の経費が増えるため、最悪の場合は倒産も考えなければなりません。
まとめ
この記事では、軽貨物ドライバーの労働時間と2024年問題がもたらす影響について解説しました。
軽貨物ドライバーの基本的な労働時間は、8〜21時の休憩を含んだ約12時間です。
繁忙期や再配達の多いときは、超えることもあります。
2024年問題は、直接雇用されているドライバーの時間外労働時間上限制限による配送荷物の負担から、軽貨物ドライバーの労働時間に影響を及ぼしています。
【労働時間上限規制が軽貨物業界にもたらす影響】
①指定日時に荷物が届けられない
②ドライバーの収入減少により人手不足になる
③運送会社の売上・利益が減る
軽貨物ドライバーにとって配達する荷物が増えるチャンスでもあります。
今後は「どの運送会社と契約するか」「いかに効率よく稼ぐか」も考えて働いていきましょう。